2023-04-17 update

「冬の記憶」利尻礼文サロベツ国立公園たより 2023.3  Vol.27

利尻島「消えゆく雪色に恋して」

少し前、冬の利尻島の巡視中に、凍てつく海岸から飛び立つオオセグロカモメの姿を見かけました。島の厳しい風雪の中で生き抜く動物たちの姿は、夏にも増して逞しく映ります。今年は雪解けはあまりにも早く、いつの間にか過ぎ去ってしまった雪景色が恋しくなりますが、利尻山を見上げると、もう少しの間、美しい雪の色を見せてくれそうです。

撮影地:仙法志御崎公園(利尻町)


礼文島「来冬の再会を期して」

冬の礼文島の海岸で、ユニークな模様をした鳥が連なって泳いでいました。ひときわ目を引くこの鳥はシノリガモの雄で、冬鳥として少数が礼文島にやってきます。もう1羽、ウミアイサの雌が、シノリガモの一行と向き合うように水面を進んでいきます。まるで「いつ経つの?」と冬鳥同士で挨拶でも交わしているかのような、冬の礼文島での1シーンでした。

撮影地:礼文島北部(礼文町)


サロベツ「お気に入りのこの場所で」

まだ雪が残る幌延ビジターセンター近くの森で、真っ白なエゾユキウサギに出会いました。白い雪原に紛れてこっそりと日向ぼっこをしているのか、ウトウトと気持ちよさそうな寝ぼけ眼がとても愛らしいです。消えゆく雪を惜しむかのように、しばらくの間、お気に入りの場所を動かなかったエゾユキウサギ。次は新緑の森で、衣替えした姿を見せてくれるでしょうか。

撮影地:幌延ビジターセンター周辺(幌延町)