2023-10-23 update

「彩りの季節」利尻礼文サロベツ国立公園たより 2023.7 Vol.31

利尻島「静かな沼のほとりで」

利尻島南部に南浜湿原という隠れた花の名所があります。令和3年秋に国立公園に加わったこの場所は、日本最北の高層湿原の1つで、手つかずの貴重な自然環境が保たれています。湿原内には約1kmの遊歩道があり、ミズバショウやツルコケモモ等の湿地に咲く花々に出会えます。6月下旬の晴れた日、勇ましい利尻山と穏やかなメヌウショロ沼を背景に、たくさんのカキツバタが咲き乱れていました。
撮影地:南浜湿原(利尻富士町)


礼文島「霧と風とピンクの花畑と」

夏の礼文島を彩るたくさんの花々の中に、ひときわユニークな形をしたピンク色の花があります。この花は“エゾイブキトラノオ”と言い、虎の尾がその名の由来になっています。礼文島で人気の桃岩展望台コース周辺には、青い海へ吸い込まれるように群落が斜面に広がっており、島特有の霧の中、強い風にゆらゆらと揺られるピンク色の花々の姿は、まさに“花の浮島”を感じられる圧巻の光景です。
撮影地:桃岩展望台コース(礼文町)


サロベツ「花々のひと休み」

6月中旬から7月上旬の初夏に広大なサロベツ原野を橙色に染めるエゾカンゾウは、利尻礼文サロベツ国立公園が誇る自然景観のひとつです。昨年はいたるところでエゾカンゾウが咲きれ、圧巻の風景を見せてくれましたが、今年は元気がなく、小さな群落を西海岸でやっと見つました。一面の開花を待つ私たちをよそに、今年はひと休みのシーズンだったのかもしれません。来年は元気な姿を見せてくれるでしょうか。
撮影地:稚咲内海岸(豊富町)