冬こそ自然の造形や営みを知るには絶好の季節です。夏には同じように見えていた樹木にも落葉樹や常緑樹が森の中にある事に気づき、雪の上に残る足跡や食痕で、野生動物の動きや暮らしぶりを知ることが出来ます 。
越冬のためにこの地を訪れる冬鳥や海獣たちの存在で、世界共通に季節がある事も感じます。すべて都会では味わえない、この地だからこそ体験できる冬の楽しみです。
利尻島「ウミネコたちのアンサンブル」
頭上を数え切れないほどのウミネコたちが飛ぶ風景はまさにこの時期だけの島の風物詩です。カモメによく似たこの鳥たちは、鳴き声がまるで猫のようだったことからウミネコと呼ばれるようになりました。
「ミャーミャーミャーミャー」と大合唱 。
そろそろ訪れる春を、私たちに知らせてくれているのかもしれません 。
撮影・文:黒田芳人
(国立公園管理官)
礼文島「アンモナイト出現⁉」
桃岩展望台に向かう途中で大きなアンモナイトのように渦まいた雪の塊がありました。「 雪まくり」という風と雪の条件が重ならないと発生しない現象のようです。私は雪のアンモナイトに見えましたが、みなさんは何に見えますか?
撮影・文:津田涼夏
(礼文島アクティブレンジャー)
サロベツ「眠るパンケ沼」
サロベツ原野の中で最も大きな沼であるパンケ沼。巡視に行くと沼は一面の雪原へと変化していました 。
季節によって異なる姿を見せてくれるサロベツ原野。みなさんはサロベツのどんな姿が好きですか?
※パンケ沼までは冬季通行止めです。また、凍結した湖沼にのるのは非常に危険ですのでやめて ください。
撮影・文:福井翔太
(サロベツアクティブレンジャー)
-今回の撮影場所(撮影日)-
【利尻島 】 仙法志
鴛泊港フェリーターミナルから車で35 分 (2022.2.24)
【礼文島 】 桃岩展望台コースまでの道のり
香深港フェリーターミナルから車で10 分 (2022.2.10)
【サロベツ 】パンケ沼園地
JR下沼駅から車で5分( 2022.2.15)
「利尻礼文サロベツ国立公園だより」とは
日本最北の国立公園には公園管理を行うスタッフが5名、利尻島・礼文島・サロベツの各地域で働いています。そんなスタッフが季節ごとのとっておきを皆様にお届けします。
発行:環境省 稚内自然保護官事務所