冬カモが旅立ち、数年ぶりの大雪に見舞われた冬がようやく終わりを迎え、駆け足で春が近づいているのを感じます。冬芽が少し膨らむ花や、春に産まれたばかりの小鳥のさえずり、最近では冬眠から目覚めた熊の目撃情報も・・・春はもうそこまで、です。
春の訪れ「群来」
連日温暖な気候が続く利尻島では春を告げる現象が発生しました。ニシンの放卵・放精によって一時的に海水がエメラルドグリーン色に染まる「群来(くき)」です。
利尻島は過去にニシンで栄えた島でもあるので、この日は島民皆で群来の話題で持ちきり。人間以外にもニシンを狙うウミネコ、オジロワシ、トド、アザラシが集まりこの日の利尻
島は賑やかでした^^
撮影・文:室田雄飛
(利尻島アクティブレンジャー)
サロベツ 歓びの前奏曲
雪解けが進み、フキノトウが地面から顔を出し、木道を歩いているとハンノキの花が咲き、ミズバショウの芽が伸びてきました。長く険しい冬を経て、頭上のあちらこちらで鳴くヒバリの声は、サロベツにもいよいよ春が訪れる、そんな前奏曲のようにも聴こえます。帰り道にはハクセキレイが出迎えてくれました。
撮影・文:黒田芳人(国立公園管理官)
礼文島 右向け~、右!
この日は礼文島から凜々しい利尻山の姿を拝むことができました。写真のカモメたちをよく見ると、みんなそろって同じ方向を向いていました。カモメたちの目線の先に美味しい何かがあるのかと思わず海をのぞいてしまいます。
だんだんと暖かい日が続き春の訪れを感じます♪
撮影:橋本恵市(利用企画官)
文:津田涼夏(礼文島アクティブレンジャー)
-今回の撮影場所(撮影日)-
【利尻島】南浜湿原
鴛泊港フェリーターミナルから車で30分(2021.4.5)
【礼文島】香深井
香深港フェリーターミナルから車で15分(2021.3.23)
【サロベツ】サロベツ湿原センター
JR豊富駅から車で10分(2021.4.6)
「利尻礼文サロベツ国立公園だより」とは
日本最北の国立公園にはアクティブレンジャーと呼ばれる公園管理を
行うスタッフが3名それぞれ利尻島・礼文島・サロベツで働いていま
す。そんなスタッフが季節ごとのとっておきを皆様にお届けします。
発行:環境省 稚内自然保護官事務所