2021-12-24 update

「雪の匂い」利尻礼文サロベツ国立公園だより 12月 Vol.13

今年は本格的な降雪が遅く、なかなか根雪になりませんでした 。しかし、今ではすっかり一面の銀世界に変わり、雪化粧した利尻山に、どこまでも遥か続く雪原が広がっています 。銀世界に変わる前の厳しい寒さの中にも、この地にしかない冬の凛とした美しさがあります 。

利尻島「雪の妖精」

冬の巡視は厳しい寒さや風雪で辛い時も多いですが 、たまには嬉しい出会いに遭遇します。しんしんとみぞれが降る中、シマエナガに出会いました。出会いはたった数秒間の出来事で、観察したい気持ちとはうらはらに振り向いてももらえず…それでも季節の移り変わりや、この地で暮らす 生き物との出会いを楽しみに、今日も寒空の下、巡視に出かけます。

撮影・文:黒田芳人(国立公園管理官)


礼文島「冬はいずこへ」

12月初旬に積もった雪もすっかり溶けて、景色が少しだけ秋に戻ったようになりました 。それでも季節は真冬に入る12月。海にはシノリガモ、空にはオオワシといった冬の使者が訪れ、そして白い利尻山の姿が見えます。あとは、一面を銀世界に変える雪を待つだけです。※写真を撮影した一週間後には、一面真っ白になりました。

撮影・文:津田涼夏(礼文島アクティブレンジャー)


サロベツ「自然界の創造」

気がつけば12 月。日々の気温も氷点下になり、ようやく冬の道北らしさが出てとてもしばれます(北海道の方言で厳しく冷え込むこと)。夏は穏やかだったパンケ沼も季節風で波立っていて、湖岸の枯れ草はしぶきがかかっては凍りを繰り返し、氷の中に閉じ込められていました。氷に閉じ込められた枯れ草は地面から氷柱が生えているようで、とても不思議な光景でした。

撮影・文:福井翔太(サロベツアクティブレンジャー)


ー今回の撮影場所 (撮影日)ー
【利尻島 】姫沼園地
鴛泊港フェリーターミナルから車で10 分 (2021.12.6)
【礼文島】ゴロタ岬
香深港フェリーターミナルから車で30分(2021.12.8)
【サロベツ】パンケ沼園地
JR下沼駅から車で5分 (2021.12.15)

「利尻礼文サロベツ国立公園だより」とは
日本最北の国立公園には公園管理を行うスタッフが5名、利尻島・礼文島・サロベツの各地域で働いています。そんなスタッフが季節ごとのとっておきを皆様にお届けします。
発行:環境省 稚内自然保護官事務所